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体温を測る

体温を測るには体温計をお尻の穴に入れる必要があります。体温計は水銀タイプが一般的でしたが

電子タイプでもはかれます。ただし,実測型である必要があります(電子体温計には実測型と予測型があります)。このため測定にはやや時間がかかります。

測定には体温計の測定部分(脇の下や口に入れる部分)をぬるま湯でぬらし,ゆっくりと肛門部に挿入していきます。

絶対に無理に挿入してはいけません。腸はジャバラになっているために少々ひっかかりがあることもありますから無理に入れると傷ついてしまいます。うまく挿入できると無理なく入れられるはずです。力を入れて押し込むように入れてはいけません。ゆっくりと少しずつ入れることです。2cm以上入れる必要があります。

また体温を測る目的は熱があることを知ることなので,赤外線タイプの物も利用できます。

ただし,事前に正常時の体温を知っておくことが必要です。普段から,決まった場所,たとえば耳の穴の中や,眼,胸の前肢の後,お腹あたりの毛の薄い場所などを,決まったポーズで繰り返し計っておき,”うちのペットはこのくらい”という値を知っておきます。これと比較して温度が高ければ熱があると考えます。熱があって体調が悪いときは,いつもより2度ほど高いように思います。

このほかにも,いつも触っていれば,耳を触ったときや抱き上げたときの感触で知ることもできます。大事なことはペットが十分落ち着いていることです。興奮状態にあると体温はすぐに上昇してしまい,正しく計れませんし,熱く感じても正常であることが普通だからです。正しい体温は38度前後ですが,数値にこだわる必要はありません。